三川研究室の大学院修了生・増田先生の研究成果が,『地域理学療法学』誌に掲載されました.本研究は修士論文として取り組まれたもので,高齢者の生活支援・地域リハビリテーションの視点からも重要な知見を提供しています.
論文タイトルは,「要支援・軽度要介護高齢者における生活空間に関連する要因の検討」です.(DOI:https://doi.org/10.57351/jjccpt.JJCCPT24018)
概要は以下のとおりです.
【目的】要支援・軽度要介護高齢者の生活空間と関連する要因を検討すること.【方法】通所サービス利用者の52名を対象に,生活空間評価(LSA),身体機能,転倒恐怖感,ソーシャルネットワーク評価(LSNS6),趣味・家庭内役割の有無,主観的・客観的 QOL 評価,基本チェックリスト(KCL)を調査した.LSA 高得点群と低得点群の各項目を比較し,さらに LSA と各項目の関係性を解析した.【結果】LSA 低得点群は高得点群に比べて,歩行速度,社会機能,公共交通機関の有無,客観的QOL(SF-8)は有意に低く,TUG,転倒恐怖感,KCL は有意に高かった.LSA は,歩行速度,LSNS-6,SF-8 の身体機能,日常役割機能,身体的健康と正の相関関係,TUG と KCL と負の相関関係を認めた.【結論】要支援・軽度要介護高齢者において,生活空間が身体機能や社会機能,環境因子,客観的 QOL と関連することが示唆された.